"StrID : 4899
"Title : 捜査の適法性を確保することは、検察官の重大な責務ですが、そこを踏み外してしまったにもかかわらず起訴猶予というのは、安易に過ぎ、悪い前例を作ってしまったと感じます。/落合洋司弁護士
"Cats : 社会・世相・時代の参考情報,弁護士
"Tags : 落合洋司弁護士(東京弁護士会),@yjochi,不正アクセス,捜査,不起訴,検察官,法秩序
"========== Content ==========
http://www.asahi.com/articles/ASG277H8KG27UTIL051.html
地検によると、この検事は昨年12月ごろ、振り込め詐欺事件で警視庁が逮捕した容疑者のメールを閲覧した。検事は「捜査のためにメールの内容を確認しようとした」と説明しているが、相手の承諾などを得ずにアカウントにアクセスしていたという。容疑者の処分を決裁する際、捜査報告書などによって発覚した。
刑事訴訟法上は、「任意捜査の限界」として論じられる場面ですが、こうした不正アクセスは法律で禁止されている行為で(処罰規定もあり)、アクセスにつき被疑者の同意を得たり、あるいは令状を取得することも十分可能で、任意捜査として適法視することは困難でしょう。
こうした違法捜査をしない、させないこと、捜査の適法性を確保することは、検察官の重大な責務ですが、そこを踏み外してしまったにもかかわらず起訴猶予というのは、安易に過ぎ、悪い前例を作ってしまったと感じます。低額であっても罰金刑に処する、また、懲戒処分もされていないようですが、きちんと懲戒処分もしてけじめをつける、ということでないと、警察等への示しもつかないでしょう。
法秩序というものは、このようにして弛緩し崩れて行く、ということを感じるものがあります。
引用:2014-02-10 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」
0 件のコメント:
コメントを投稿